ワタキューホールディングス株式会社目まぐるしく変わる世の中で生き残るために「マルチAIエージェント」という選択肢

ワタキューホールディングス株式会社
ワタキューホールディングス株式会社は、京都市に本社を置き、医療・福祉・健康関連の総合サービスを提供する企業グループの持株会社として、2021年に設立されました。
ワタキューグループは、1872年(明治5年)の創業以来150年以上にわたり、リネンサプライ、給食、保険薬局、福祉用具レンタル、人材紹介・派遣、建物の設計・施工など、幅広い事業を展開してきました。
特に、医療・福祉・介護の分野を中心に、高い専門性と総合力を発揮し、現在では54社、社員数は10万人を超えるグループに成長しています。
ワタキューグループは、「心」を原点に、地域の皆さまの「生きる」を支えていきます。
概要
本インタビューでは、医療・福祉・介護の分野で幅広いサービスを展開するワタキューホールディングス㈱の皆様に、AIエージェントサービス「Nomatica」導入の背景から、実際の活用事例、そして今後の展望までを詳しく伺いました。
実務の現場では、
- 目まぐるしく変わる世の中に対応し続けるための選択肢
- 自分の知見・視点だけでは足りない部分を補う多角的なアウトプット
- 創造的な課題の設定や発想の支援
といった点が高く評価されています。
利用者からは「自身の能力以上の処理が可能になっている」、「専門家の思考プロセスや議論の途中経過もアウトプットされる点が参考になる」、「DeepResearchモードで得た情報と資料作成モードを組み合わせると、短時間で論点が整理された資料が提示される」といった声が寄せられています。
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
泥谷さん:ICT戦略部の部長を務めています。元々は医療機関で働いていましたが、転職してワタキューグループ内の事業会社を複数社経験し、2021年のワタキューホールディングス㈱設立時より現職に就いています。現職では、グループ全体の情報システムの開発・運用・管理に関する助言、ITリテラシー向上を目的とした教育、DX推進などを担当しています。
小野さん:私は2023年にワタキューホールディングス㈱に入社しました。前職は農業関連の仕事をしており、その傍ら、独学でシステムづくりをしていました。
現在はICT戦略部で、グループ各社がICTを積極的に活用できるよう、ホールディングスの立場でフォローしています。直近ではホテル事業のグループ内合併に伴うシステム活用の支援を行っています。
日頃どのように「Nomatica」を活用されているか、関わり方について教えてください。
泥谷さん:「Nomatica」の導入・活用全般に責任者として関わっています。AI技術の活用は、業務効率化や新たな価値創出のために大変重要なテーマだと捉えています。
小野さん:私は未経験でICT戦略部に所属しましたので、まずは、自分のITリテラシーを上げる必要があると思っています。そのため、特に自分の経験の浅い分野についてAIに相談することが多いです。
今なぜ、貴社にAIエージェントが必要とされているのでしょうか。
泥谷さん:ICT戦略部として、先端技術に積極的に触れ、社内外の課題に対して最適な解決策を選択できる体制づくりを重視しています。
医療・福祉・介護分野を中心に事業を展開する当社では、社会や業界の変化が加速する昨今、これまでの考え方では対応できない課題が増えてきています。
そこにAIエージェントのような先端技術を取り入れることで、業務効率化や意思決定支援、創造的アウトプットの促進など、従来の枠を超えた新しい価値創出が可能になると考えています。
「Nomatica」の導入は、目まぐるしい環境の変化に、柔軟に対応し続けるための「選択肢を増やす」戦略の一環です。
「Nomatica」や他AIの活用状況を教えてください。
小野さん:他社の生成AIを1年以上、「Nomatica」を半年以上使用していますが、日々、活用のシーンを模索しながら業務に臨んでいます。
活用を始めた当初は、「何を」「どこまで」AIに相談するか、どのようなシーンで活用するべきなのか、プロンプトの指示はどのようにすれば最適なのかといったように、様々な場面で課題に行き当たっていました。そのため、導入当初は主に問い合わせ対応や資料作成などの限られた場面で使用していました。
直近では生成AI全体の進歩が著しく、特に調査や分析のスピード・質を高めることができると感じていますが、私が生成AIも使いながら作成する資料では、管理者、経営者といったハイレイヤーの目線が足りていないことも多くありました。
しかし、「Nomatica」を導入したことで、このような自分の知見・視点だけでは足りない部分にも多角的な意見をもらうことができ、より質の高い資料を作成することができています。最近は「Nomatica」のAIエージェントの中でもとくにITコンサルタントと業務改善コンサルタントをよく使っていますね。
「Nomatica」の導入で苦労された点などありましたらお聞かせください。
泥谷さん:導入初期は、利用対象者の選定と活用シーンの検討が課題でした。AIを使いこなすためには、ある程度のITリテラシーやプロンプトの仮説検証をするスキルなどが必要ですが、利用対象者が必ずしもそれらの能力を持っていると限らなかったため、導入初期にはそういった指導も行いました。
現在では利用者から「議論の質が向上した」、「資料作成や情報収集が効率化した」といった反応も挙がってくるようになり、AI活用への知見や期待が高まっています。
私自身、AIの活用により、自身のキャパシティ以上の処理が可能になっていると感じています。
「Nomatica」を使う際の利点をお聞かせください。
小野さん:最近は気軽に使えるAIのレベルも高くなってきており、洗練された回答が返ってくることも増えてきました。
しかし、「Nomatica」は回答そのものの質はもちろん、専門家の思考プロセスや議論の途中経過もアウトプットされる点が非常に参考になり、便利だと感じます。プロジェクトの初期段階でまだ具体化していない課題の抽出や、方向性の決定など、本来複数人で議論し決定するシーンで「Nomatica」は非常に優れていると感じています。
また、このような先端技術に触れる機会を得られていること自体が自身の成長にとっても非常に有益だと感じています。
今後の展望を聞かせてください。
泥谷さん:「Nomatica」は、アイデア出しや資料作成、壁打ち相手として特に有効だと感じています。自分の発想だけでは得られない新しい気付きを得られる点が大きな魅力です。
一方で、使い手のスキルや目的によって、活用の幅が変わる点は頭に留めておくべきと考えています。
費用対効果を高めるためには使い手がリテラシーを高める必要もあるかと思います。
私の部署では、1→100の業務もありますが、0→1の解決策を検討する場面が多く、「Nomatica」はそのような創造的な課題設定や発想支援に大きく貢献しています。今後は、さらに直感的な操作性や、現場の課題に即した機能拡充を期待しています。
小野さん:DeepResearchモードはもうそれだけで資料を作るのに必要な情報が集まってしまうほど、非常に多くの情報を調査・分析して提示してくれるので驚きでした。DeepResearchモードで得た情報と資料作成モードを組み合わせると、まるで本当に専門家が作成したかのような完成度の高い資料が提示され、初稿作成に非常に役立つと感じました。今後はこういった一気通貫した使い方を増やしていきたいです。
まとめ
「Nomatica」は、資料作成や議論支援、創造的な発想の補助に高い効果を実感しており、個人の能力を拡張しています。今後もさらなる機能拡充ととともに、現場での活用拡大を目指しています。